施工液(水溶液)について(2)

では、なぜ水玉になるのはダメなのか?ガラス全体が水で濡れていなかればいけないのか?と疑問に思うでしょう。

写真では、わかりにくいので図で説明します。
フィルム施工・ガラスに水を吹きつける
ガラスにウインドウ・フィルムを乗せる

適切な濃度の施工液なら、ガラスにくっつかず、水の上に乗ってる状態なので、フィルムの位置調整が可能です。
中性洗剤の量や水の量が少ないと、フィルムが部分的にガラスについてしまい位置調整ができません。

ウインドウ・フィルム水抜き

水に浮いた状態ならば、スキージーやヘラ等を使用して、綺麗に水と空気を抜くことができます。
部分的にフィルムがガラスについてると、水や空気が綺麗に抜けず、気泡だらけになってしまいます。

フィルムの説明書には水に中性洗剤を入れる事と、まんべんなく、たっぷりと水を吹きつける事が記載されていますが、初心者はなぜ中性洗剤や水をたっぷり吹きつける必要があるのか理解できないので失敗してしまいます。

最後にフィルムを貼り終わった後、フィルムが歪んで見えたり白く斑になったりします。これはスキージーで圧着してもガラスとフィルムの間に、まだ水が残っているためです。
ウインドウ・フィルム施工後の水残り現象
写真わかりにくいですが、上の方に見える白い斑点になっているのは水が残っている為です。これは一時的なもので乾けば消えます。放っておけば自然に消えますので強く押したりしないでください。

何も説明しないと気泡だらけだ、貼り直せと言われてしまいますが、決して失敗したわけではないので安心してください。

無断使用禁止

施工液(水溶液)について(1)

フィルム施工の前に用意するのが施工液(水溶液)ですが、水に中性洗剤を入れるだけです。
でも一般の人達は中性洗剤=汚れを落とす物と思っているので、なぜ施工液に中性洗剤?となります。

今回は中性洗剤を使う理由を説明します。

中性洗剤の成分を見ると界面活性剤とまず記載してあります。
界面活性剤の 「 界面 」 とは物と物の境目という意味です。

界面の変化の一つに、表面張力の低下があります。 表面張力というのは、水滴が丸まろうとする力を、界面の面積をできるだけ小さくしようとする力のことで、表面張力が低下すると、水滴が丸まらずに広がり、ガラスが濡れやすくなります。

水をガラスに吹きつける
水を吹きつけても、ガラス表面で水玉になってしまいます。

中性洗剤入りの水を吹きつける
中性洗剤を入れた水を吹きつけ後。水玉にならずに、ガラス表面がしっかり濡れています。この状態がフィルムを貼るのに適しています。

施工液に中性洗剤を入れるのは、界面活性剤によって水の表面張力を低下させガラスが濡れやすくする為です。

無断使用禁止


アルコール

アルコール
アルコール
あると便利なのが無水エタノール。
テープ類等の粘着剤や油性マジックで書いた目印なんかを消すのに使えます。
フィルムの剥がしでスクレーパーで取りきれなかった粘着剤が、うっすら残っている時はアルコールを使用して拭き取ることができます。
※消毒用のアルコール等、薄めてある製品は駄目です

他に入手しやすい物だとカー用品店にあるブレーキクリーナー・パーツクリーナー・水抜き剤等もアルコールを使用しているので少量であれば粘着剤を拭き取ることができます。水抜き剤はイソプロピルアルコールなので臭いがきついのが難点ですが○ライマーの代わりとしてつかえなくもない?

引火しやすい物ですので扱いには注意してください。

フィルムの隙間(エッジスペース)について

フィルムの隙間(エッジスペース)について
3Mファインクリスタルエッジスペース
フィルムエッジはガラスに密着させることで結露や汚れの侵入を防ぎ剥がれにくくする為、ゴムガスケットやシリコンコーキング部分にかからないようにします。その為、隙間(エッジスペース)が僅かにできます。(施工フィルムは3Mファインクリスタル

凹凸用フィルムエッジスペース
写真の型板ガラスはグレチャンの角が曲がっているのでサイドの隙間を広めになっています。
(施工フィルムは防犯対策にもなる型板ガラス用フィルム)

3Mナノ80Sエッジスペース
シリコンコーキングに乱れや波打ちがあると隙間は広めにします。
(施工フィルムは3Mマルチレイヤーナノ80S

無断使用禁止


施工について

施工について
養生
まず床を傷つけたり、汚さないようにマットを敷き、窓枠以外を水で濡らさないようにビニール養生をします。

ガラスの採寸
次にガラスの採寸をして

3M(スリーエム)SH2CLAR透明飛散防止
フィルムをカットします。今回使用するフィルムは3Mの透明飛散防止フィルムSH2CLARです。
JIS A 5759 A法・B法に適合した飛散防止フィルムで、紫外線99%以上カット、傷つき防止のハードコートもあるスタンダードな製品です。このフィルムは学校の防災・安全対策にも使用され、病気で紫外線がダメな方は紫外線対策で施工されています。

ガラススクレーパーで清掃
ガラスの清掃を始めます。まずガラススクレーパーを使用しますが、一部の強化ガラスや熱線反射ガラス等、傷つきやすいガラスの場合この工程は省きます。たっぷり洗浄液を吹きかけてからガラススクレーパーで汚れを取り除きます。

ガラスワイパーで清掃
再び洗浄液を吹き付けてから、仕上げにガラスワイパーをかけます。ガラスの清掃時に雑巾等は使用しないでください。

窓ガラスフィルム貼付(巻き落とし)
今回は”巻き落とし”と言う施工方法です。
ガラス面に施工液を吹き付けてからライナーを剥がしながらフィルムをガラス面に貼り付けます。

ガラス飛散防止フィルム(水抜き)
フィルムが乾いてくっつく前に水と空気をスクイジーで抜いていきます。

飛散防止フィルム(カット)
余分なフィルムをカットします。フィルムも温度の変化で伸び縮みしますし、シリコンコーティングに被ってしまうと剥がれの原因になりますので少し隙間を作ります。隙間は当て板の厚みで調節します。私は0.5mm・1mm・1.5mm・2mm・3mm・を用意してできるだけ隙間を小さくしています。

窓ガラスフィルム貼付後(SH2CLAR)
最後に四隅の水を抜いて仕上げです。

窓用フィルム貼付後(3M SH2CLAR)
綺麗に仕上がりました。

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